犬を自由に育てたい、トレーニングなんかする必要ない、可愛がれば問題ない。
そんな考えの人があなたの周りにはいるでしょうか?
悲しいことにトレーニングを勘違いしている方が日本には多くいます。
※トレーニングとしつけは違うものですが、混同しやすいので細かい説明は省きます。
例えば、自分の住んでいる場所の近くに電車が通るのであれば、電車の音、踏切の遮断機の音、電車が通った時の風など、事前に慣らしておき、電車などの存在を怖がらずにさせておくことが大事ですね。
極端な話、山奥に住んでいて、電車の存在なんか知らなくても良いと思えば、電車に慣らすトレーニングは必要ないのです。
「しつけ」というのは礼儀や作法などを意味しますが、踏切の存在も知らない状態で成犬になると、踏切を渡る方法が分からず、突っ走ったり、大きな音に取り乱したりします。
これが健全な犬の育て方なのでしょうか?
何が言いたいのかといえば、犬を自由に育てたい、可愛がればOKなのであれば、それは単なる自己満足であり、犬の生活クオリティーは下がる一方です。
家に迎え入れた犬を一生家から出さないと決意しているのであれば、そんなトレーニングはいらないかもしれません。
ただし、そんな訳にはいきません。
・何か病気になったり怪我をすれば動物病院に行かなければならないでしょう。
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病院では知らない人、いつもと違う雰囲気、匂い、知らない犬や猫・・・
全く社会を知らないで育った犬たちはどう行動するでしょうか?
ほぼ間違いなく、怖がるか、興奮して落ち着きがないかのどちらかです。
冷静に病院内で過ごせるはずありません。
・親戚の冠婚葬祭があれば、犬をどこかに預けなければいけないかもしれません。
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隣の家の人に預けるにしても、ペットホテルに預けるにしても、初めてでその場所に耐性がなければ、
落ち着きがなくなり、普段食べているご飯も食べず、体調を崩しやすいです。
・災害が起きて、その家には住めなくなるかもしれません。
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避難所ではどこで犬は暮らしますか?
クレートに入ることを知らなければ、ほとんどの場合は屋外か、車中です。
夏、冬の時期でこれが耐えられますか?
仮住まいの住居で犬OKの場所が早く見つかるでしょうか?
・家を脱走する可能性だってあります。
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犬が絶対に脱走しない可能性なんてありえません。
仮に逃げた場合、家族以外の人が好きでないとしたら、その子はどこで、誰に捕まるのでしょうか?
捕まらない場合、野生化するか、事故に遭うか。
仮に捕まって、保健所に収容されたとしても、家に帰るまでどれだけ不安なことでしょう・・・
さて、上記のことが起きた時、犬たちは正常な精神状態で生きていけるでしょうか?
これを見ても、私は自由に犬を飼いたいと思うなら止められません。
しかしながら、はっきり言わせてもらえれば、このような飼い主は犬にとって大変迷惑極まりないです。
「トレーニングするのは犬が可哀想」
「犬の可能性をなくす・・・」
そんな考えの方が、本当に犬に対して可哀想なことをしているのはここまで読んでくださる方であれば理解していただけてると思います。
愛犬家とは、その名の通り犬を愛してやまない人たちですが、それは決して甘やかすことではなく、正しくしつけをし、トレーニングをしている人たちのことをそう呼ぶべきです。
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